行きたくない会社なのに、毎日会社に行けるわけ
息子たちへ
一つ告白しよう
トウちゃんは、2年前に左遷されて、今の職場にいるんだ
出世からは見放されていたけど、前の職場ではやりがいのある仕事が
できて、結果も残すことができた
(社長表彰・副社長表彰・部長表彰のグランドスラムも達成したんだぞ)
ある暑い日、異動を告げられた日は、ほんとに落ち込んだ
でも、もしかしたら初めての仕事だし「もしかしたら・・・」という
淡い期待を持ちながら着任したんだけど、予想に違わず、2年たった
今でもトウちゃんにとってはヒドイ職場だった
そこから逃げたくて、仕事を辞めようかと真剣に考えたこともあった
でも、2年たった今でも、君も知ってるとおり、毎朝、仕事に行ってる
よね
そんなにヒドイ職場なのに、なぜ、毎日仕事に行くことができるのか
わかるかい?
一番は、カアちゃんが意識して、そして君たちは無意識に励まして
くれていること。
そして、あと2つ、やったことがあるんだ
読書と会社に行くことを結びつける
一つは、本を読むこと
詳しく言うと、トウちゃんが半分中毒になってる読書を、会社の通勤と
休憩時間以外にはしないということをやってみた
このアイデアは、ダン・アリエリーって人が、C型肝炎の治療のため、
吐き気や倦怠感の副作用がある薬を半年間自分で注射し続けるために
行った方法なんだ
~医師たちが計画したとおりの治療法を守ったのは、この
実験に参加した患者のなかでわたしひとりだと聞かされた。
(略)わたしには奥の手があった。基本的には、来るべき恐ろしい
注射をしのぎやすくするために、別の欲求と結びつける工夫を
したのだ。わたしにとっての極意は映画だった。
ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』
会社=読書は、
・会社に行けば、本が読める(←ご褒美)
・会社にいかない場合、読書は禁止(←ペナルティ)
の2つの捕らえ方があるんだけど、損失回避に人は重点を置くってので、
トウちゃんはペナルティ的な捕らえ方をしてしまった
もし、ご褒美的な捉え方をしていたら、今の職場も「本を読めるいい職場」
になってたかもしれない
そのあたりは、反省点だ
読んだ本を記録する
もう一つは、そこで読んだ本を記録すること
記録っていっても、感想などを書くとなると、たぶん億劫になってしまう
ので、何というタイトルの本をいつ読んだのかだけを記録した
この記録には、読書メーターってサービスを使っているのだけど、この
サービスはその月の読んだ冊数だけじゃなくて、総ページ数や、1日あたりに
直したページ数を過去とも比較できる
特に過去と比べる事で、今月は少ないからもっと頑張って読もうとずいぶん
後押ししてくれる
まとめ
君たちの励ましと、さっき言った2点のおかげで、何とか会社に行くことが
できている
いま見ると、去年1年で95冊、月に8冊程度読んだ
今年は今日までの半年で36冊とちょっと少なめなので明日からちょっと
マイていこうか
それまで読む本といえば小説かエッセイだったんだけど、2年前、読書と
会社に行くことを結びつけるっていうアイデアをくれたダン・アリエリーの
本をたまたま読んでからいわゆるビジネス書を読むようになった
もちろん、本を読むだけで、その知識を全部身につけることはできないん
だけど、少しづつ視野が広がっていることも実感している
今度、習い事や学校にいきたくなくなった時は、トウちゃんがしている
ように「行くこと」に別の価値を付けてみるってのはどうだろう
もしかしたら、トウちゃんがそうだったように、その別の価値が君たちを
もっと成長させてくれるかもしれない
君はどう思う?